3DCGとは何なのか?活用事例や特徴について本記事で解説していきます。3DCGの作り方や制作予算や費用相場、選び方やおすすめソフト「Blender」でできる仕事や特徴、今後の将来性について解説しますので興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
3DCGとは
3DCGとは、3次元空間でのデジタルグラフィックスの略称になります。英語の3 DimenSional Computer Graphicsの頭文字です。主に3次元空間をコンピューター上で構築して、物体を作成したりアニメーションを動かします。
3DCGでは、2次元の画像よりリアルな映像表現が可能なため、近年ではCGや特殊効果など技術が発展しています。そのため、ゲームやアニメだけでなく映像制作、ほかにも建築などビジネスにも多く活用されている状況です。
3DCGの技術は、未来に向けて活用される業界や事例が増加するでしょう。
3DCGの活用事例
ここからは、さまざまな業界の3DCGの活用事例を見ていきます。将来的に3DCGを活用していきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
①ゲーム
過去と違い最近のゲームは、現実世界と見間違うようなリアル感やプレイヤー、キャラクターの表現、臨場感が格段に進化しています。
ゲームが進化してリアル感や臨場感が向上した要因は、3DCGがゲーム制作に活用されるようになったからです。
ゲームのなかには、本物の人間や景色のような商品も発売されていて、ゲームをプレイする人数を押し上げています。
②アニメーション
3DCGは、アニメ制作の現場でも多く活用されているため、アニメーションの技術も過去と比較すると格段に向上しています。
特にアニメーションの3DCGで注目するところは、背景や特殊効果に活用されている戦闘シーンなどです。
近年では、3DCGを主体としたアニメーションも新しい表現方法として、アニメの制作現場でも取り入れられています。
③映画・映像
映画製作では、通常の映像として表現しにくいSF映画やファンタジーを扱う映画で3DCGを活用して表現しています。
過去の映画と比較しても、3DCGの映像は本当にその場にいるみたいに、臨場感や奥行きを感じられるため視聴者も映画の世界に魅了されることでしょう。
また、近年では合成技術や特殊効果の進歩に3DCGは一躍を担っています。
④建築業
3DCGは建築業において、設計だけでなく建設まで多くのプロセスで活用されています。建築における設計では、建築物の外観や内装を3DCGを活用して、建築する前に確認することが可能です。
災害における耐震性や台風の風圧にどのくらい耐えることができるのか、3DCGを使い事前にシミュレーションをすることができます。
⑤広告業
最近は、2次元の広告ではなかなか人の目を引くことが難しいのが現状です。そのため視覚的なインパクトがある3DCG映像が、今後広告業にインパクトを与えてくれるでしょう。
3DCGが広告業に活用されている背景には、3DCG広告が持つ強みがあるからです。強みとして2次元広告よりも視覚的なインパクトが強いことと、仮想空間を活用してバーチャル体験をさせることができるからです。
⑥VR・MR・AR
3DCGは、VR・MR・ARにも最近は多く活用されています。VRやMRを活用することで、商品やサービスを購入する前にユーザーは仮想空間で、実際に購入したかのように事前に体感することが可能です。
ARでは、CGを活用してバーチャルな商品を現実世界に出現させる技術で3DCGを組み合わせることでユーザーの評価を高める可能性が期待できます。
3DCGにおすすめのグラフィックボード・NVIDIA RTX(旧Quadro)製品をご紹介
ここからは、NVIDIA RTX(旧Quadro)が提供しているGPUを紹介します。下記で、NVIDIA RTX(旧Quadro)の種類ごとの性能比較も解説します。
NVIDIA T400
NVIDIA T400は、省電力性にとても優れていることが特徴のグラフィックボードです。
前世代のQuadroシリーズで採用されていたPascalアーキテクチャからTuringアーキテクチャに進化しており、メモリ容量は4GBの製品が提供されています。
メモリにはGDDR6を採用しており、NVIDIA RTX T1000同様に高速化と消費電力低減を実現しています。
NVIDIA T1000
NVIDIA社が提供するプロフェッショナルシリーズのT1000は、アーキテクチャにTuringを採用し、メモリにGDDR6を搭載することで高速化かつ省電力化を実現しているなど、エントリーモデルとして最適な製品といえるでしょう。
NVIDIA RTX A2000
NVIDIA RTX A2000は、RTXシリーズの中ではミドルレンジのGPUとなっており、コンパクトなデザインであることからコンピューターに搭載しやすいのが特徴です。
また、シリーズのなかでは低価格モデルに位置しています。
アーキテクチャにはAmpereを採用しており、省電力で稼動できるようになっています。
NVIDIA RTX A4000
NVIDIA RTX A4000は、省電力性に優れているシリーズのなかでは高性能となっているデスクトップ向けグラフィックボードです。
本体がコンパクトなことからコンピューターに搭載しやすく、メモリ容量も16GBはあるため、GPUの導入コストを抑えたいと考えている企業におすすめのモデルとなっています。
スペックも同じシリーズの低価格モデルであるNVIDIA RTX A2000よりも、すべての項目で優れています。
NVIDIA RTX A6000
NVIDIA RTX A6000は、メモリ容量が48GBという巨大なサイズになっているのが特徴です。NVIDIA RTXシリーズのなかでも最上級モデルに位置するグラフィックボードとなっており、アーキテクチャにAmpereを採用していて、複雑な3DCADなどの作業におけるストレスも軽減されています。
他のNVIDIA RTXシリーズのモデルより消費電力は高めとなっていますが、ワット数辺りの性能で考えると非常に高性能な製品となっています。
NVIDIA RTX 5000 Ada 世代
NVIDIA RTX 5000 Ada 世代は、32GBのメモリ容量と、最新第3世代のアーキテクチャAda Lovelaceを搭載している、高性能グラフィックボードです。
また、前世代のアーキテクチャであるAmper搭載のシリーズより画像処理能力も向上しています。
NVIDIA RTX 6000 Ada 世代
NVIDIA RTX 6000 Ada 世代は、最新第3世代のアーキテクチャAda Lovelaceを搭載した、次世代高性能NVIDIA RTX シリーズのグラフィックボードです。
48GBものメモリ容量を搭載していることから、NVIDIA RTX 仮想ワークステーション ソフトウェアをサポートすれば、ユーザー同士の距離が離れていてもリソースを共有することで、デザインやコンピューターのワークロードを実現することが可能となっています。
3DCGの制作予算・費用の相場
3DCG制作予算の相場は、1分あたり120万円からになります。内容や制作に必要な人数などにより、費用も変わりますが3DCG制作の需要が多いことから今後も費用は高くなる可能性があります。
制作予算の考え方は3DCG制作に必要なクリエイターの人数や、制作に必要な工数により違いがでてくると考えるとよいでしょう。
3DCGの作り方
3DCGを理解して活用するためには、作り方を知ることが大切です。ここからは、3DCGの作り方をSTEPごとに解説します。
STEP① 三面図を用意する
3DCGを作るためにするために、最初にすることは三面図を用意することです。3Dにしたい対象物を、三方向からの視点で簡易的なイラストを平面的に描きます。
STEP② モデリングを行う
対象物の三面図を用意したら、次にモデリングを行います。モデリングとは、三面図から3D形状のデータを作成することです。モデリングには、ポリゴンモデリングとスカルプティングの2種類があります。
ポリゴンモデリングとは、点から線、線から平面を作り組み合わせることで立体物を作成します。スカルプティングとは、粘土をこね合わせるように変形させながら、立体物を作成する方法です。
STEP③ テクスチャ・マテリアルを設定
次にモデリングした対象物に、テクスチャ・マテリアルを設定していきます。対象物に対して、3Dのリアル感を持たせるために、色や材質特有の質感を付与していきます。
STEP④ リギング・アニメーション設定
次にリギングとアニメーションを設定していきます。リギングとは、キャラクターの骨を入れて動く仕組みを作ることです。
アニメーションとは、キャラクターに動きをつけていく作業になります。
STEP⑤ 最後にレンダリングする
3DCGの作り方で最後にすることは、レンダリングすることです。レンダリングとは、データのファイルを2Dの静止画や動画に書き出す作業になります。
キャラクターに動きをつけるためには、1コマずつ作業するため時間が必要になる作業です。また、これらの作業だけではなくキャラクターを配置する空間を作成するコンポジット作業やカメラワークなどの作業を経て3DCGが完成いたします。
3DCG制作のソフトの選び方
3DCG制作のソフトを選ぶには、いくつか確認したいポイントが存在します。初めて3DCG制作のソフトを選ぶ際には、下記のポイントを踏まえましょう。
使用する目的で選ぶ
3DCG制作のソフトを選ぶ際には、モデリングをしてアバターを使いたいのか、3Dアニメーションを作りたいのかにより選ぶ3DCG制作のソフトは変わります。
そのため何の目的で3DCG制作のソフトを活用するのかを、事前に社内で確認しておきましょう。
認知度で選ぶ
3DCG制作のソフトを選ぶ際には、認知度が高いソフトを選ぶことがポイントです。認知度が高ければ、日本語の参考書籍やインターネットにも情報が多く掲載されているでしょう。
機能で選ぶ
3DCG制作のソフトを選ぶ際には、機能も事前に確認することが大事になります。ソフトには、アニメーション機能が強いものやモデリングに優れているなど得意な機能がさまざまだからです。
3DCGを制作できるおすすめソフト3選
3DCGを制作するためには、専用のソフトを利用しましょう。ここからは、3DCGを制作できるおすすめソフトを紹介します。
①Blender
モデリングだけでなくアニメーション制作など、さまざまな工程を1つのソフトで完結することができます。無料で利用できる3DCGソフトですが、高性能なため他社の有料ソフトと比較しても負けない実力を秘めています。
近年では、アニメーションや3D映像に活用されるだけでなく、アニメ映像のVTuberにも多く採用されてきているのが現状です。
②Maya
Mayaは、3DCG制作ソフトのなかでも、映画やCM、ゲームの現場で多く活用されているハイエンドソフトです。
Maya1つのソフトで、映画やゲームの背景やキャラクターのモデリング、アニメーション、レンダリングなど3DCG制作を完結させることができます。
③ZBrush
有名な3DCGスカルプティングソフトで、デジタル彫刻を行うことが可能です。リアルなキャラクターを、粘土をこねるように制作することができます。
現実世界にいるようなキャラクターやモデルを制作するのに多く利用されていて、特にゲーム業界や映画業界に人気があります。
3DCGソフト「Blender」でできる仕事や特徴
3DCGを制作できるソフトのなかでも、Blenderは国内だけでなく世界中でも人気です。ここからは、Blenderの特徴・強みや、Blenderを使ってできる仕事を紹介します。
Blenderの特徴・強み
Blenderの強み・特徴を勉強することで、他社の3DCG制作ソフトとの違いが理解できるでしょう。ここからは、Blenderの特徴・強みを3つ紹介します。
- 無料で利用できる
Blenderの強み・特徴の1つ目は、無料で利用できることです。国内だけでなく世界中の3DCGを制作したい人が、無料で使用することができます。また、自由にカスタマイズできることも人気の理由です。 - 3つのプラットフォームに対応
Blenderの強み・特徴の2つ目は、3つのプラットフォームに対応していることです。3つのプラットフォームとは、Windows、Mac、Linuxです。他にもメリットとして、英語など他国の言語と日本語の切り替えもスムーズに利用できます。 - アップデートが定期的に行われる
Blenderの強み・特徴の3つ目は、アップデートが定期的に行われることです。常時、ソフトの機能改善やアップデートが頻繁に行われていて、尚且つ定期的に行われています。そのため3DCGを制作したいユーザーが、使いやすく改善されるため人気が高い要因の1つと言えるでしょう。
Blenderを使ってできる仕事
3DCGの無料制作ソフトBlenderを使ってできる仕事はさまざまです。ここからは、Blenderを使ってできる代表的な仕事を紹介します。
- ゲーム制作
ゲーム制作は、3DCG制作ができるBlenderのスキルがあれば、ゲーム内に存在するキャラクターや背景などを臨場感あるものにすることができます。臨場感や迫力があるゲームを制作できれば、ゲームを購入するユーザーやプレイするユーザーが増加することが期待できるでしょう。 - アニメーション制作
Blenderのスキルがあれば、アニメーション制作の仕事をすることが可能です。アニメーションの業界も、3DCGを活用することで過去のアニメーションより、臨場感や迫力が視聴者に伝わりやすくなるでしょう。 - 映画・映像制作
映画・映像制作の仕事にもBlenderのスキルが大いに役立ちます。VR技術と3DCGを組み合わせることで、キャラクターがより実写に近くなり、戦闘シーンなどの迫力も増大するでしょう。
Blenderの将来性
無料で3DCGを制作できるBlenderは、国内だけでなく将来的にも世界中で利用する人が増加していくことが予想されます。
利用する人が増加する理由は、ゲーム・アニメーション・映像はもとより、建築業や広告業など、さまざまな業界で活用されるようになるからです。
活用される業界が増加することは、同時に3DCGを制作する案件としての仕事も比例して増加する可能性が期待できます。
そのため3DCG制作クリエイターの求人も比例して増加するため、無料3DCGソフトBlenderのスキルをマスターしておくと将来的にも役に立つことでしょう。
まとめ
3DCGは、アニメや映画だけでなく建築や広告などさまざまな業界にいい影響を与えています。3DCGを自社の事業に活用することで、既存顧客だけでなく新規の顧客を獲得できる可能性を大いに期待することができます。
Blenderを使える社員を新しく採用するのか、また3DCGソフトを自社の社員に学ばせるのかは、自社の将来性を考えて判断するべきでしょう。
なぜなら3DCGの将来性は、活用できる業界や事例が今後増加することが目に見えている状況だからです。
3DCGを自社に取り入れていないなら、早めにスタートし他社と差別化することをおすすめします。
監修者:麻生哲
明治大学理工学部を卒業後、ITベンチャーにて多数のプロジェクトを管理。子会社を立ち上げる際には責任者として一から会社を作り上げ、1年で年商1億円規模の会社へと成長させることに成功。現在は経験を活かし、フリーランスとしてコンテンツ制作・WEBデザイン・システム構築などをAIやRPAツールを活用して活動中。
※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
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