製品レポート

自作PCの作り方【手順その3】各パーツをPCケースに取り付け、ケーブルを配線

各パーツをPCケースに取り付け・ケーブル配線

ここからはPCケースに各パーツを取り付けていく。ケーブル配線まですれば完成だ。

マザーボード上の端子の位置など、分からないことがある場合はマニュアルを確認しよう。

8. PCケースの準備をする

まずはPCケースの準備をしよう。サイドパネルを外し、マザーボードのねじ穴に合わせてスペーサーを取り付ける。

サイドパネルを外す

サイドパネルを外す

サイドパネルは手回しねじで留まっていることが多い。今回使用する「Define 7」(Fractal Design)は内側にあるボールジョイントで固定しているため、サイドパネル上部を引っ張るだけで外せる。

反対側も開けておく

反対側も開けておく

組み立ての際は両方のサイドパネルを外しておく。裏側から配線を回すためだ。下部にシュラウドの背面カバーがあるため、そちらも外しておこう。

9. マザーボードをPCケースに取り付ける

マザーボードを取り付ける際は、PCケースにバックパネルを先に付けておく。ただ、マザーボード側にバックパネルが固定されていることも増えてきており、その場合は必要ない。

ねじを締めるコツとしては、初めは緩く仮留めしておき、後でしっかり締めるようにするとよい。少しずれるだけでねじ穴の位置が合わなくなってしまうため、後から微調整できた方がよいからだ。今回はインチねじを使ったが、PCケースによってはミリねじを使う場合もある。

位置を合わせてマザーボードを取り付ける

位置を合わせてマザーボードを取り付ける

今回使用する「MPG Z590 GAMING EDGE WIFI」(MSI)はバックパネルがマザーボードに固定されているため、別途PCケースに取り付ける必要はない。位置合わせもバックパネルが目印になるため簡単だ。

ドライバーでねじ留めする

ドライバーでねじ留めする

インチねじでマザーボードを固定する。使用するねじはPCケースによって異なるため、手応えがない場合や固くてドライバーが回らない場合はマニュアルを見直そう。

10. 電源ユニットを取り付ける

電源ユニットはPCケースによって上部に固定する場合と下部に固定する場合がある。現在は下部が主流だ。

電源ユニット部のフレームを外す

電源ユニット部のフレームを外す

シュラウドを外せないため、電源ユニットは背面から入れる形となる。まず手回しねじで固定されているフレームを外す。ねじはフレームから外れないようになっている。

フレームを電源ユニットに取り付ける

フレームを電源ユニットに取り付ける

外したフレームを電源ユニットの背面に取り付ける。

ケーブルをつなぐ

ケーブルをつなぐ

PCケースに収めた後につなぐのは難しいため、必要なケーブルはあらかじめつないでおく。今回は動作確認した状態からグラフィックボード用のケーブルを追加した。

PCケースに差し込む

PCケースに差し込む

ケーブルを先に入れておき、次に電源ユニット本体をPCケースに差し込む。上下の向きはどちらでも良いが、今回はファンを下に向けて取り付けた。

ねじを締めて完了

ねじを締めて完了

フレームに付いている手回しネジを締めて取り付けは完了だ。

使う場合は2.5/3.5インチドライブも取り付ける

今回は使用していないが、2.5インチSSDや3.5インチHDDを使う場合はケーブル配線の前に取り付けておく。一般的なタワー型PCケースならドライブベイが他のパーツと干渉することはあまりないため、取り付けのタイミングはいつでも良い。

以前はDVDドライブ等を取り付ける外部ベイが必要だったため、フロントパネルの内側にドライブベイを配置したPCケースがほとんどだった。外部ベイをあまり使わなくなった近年はマザーボードベースの裏側やシュラウドの内側など、目立たない場所にドライブベイを隠すことが増えている。こうした変化に伴い、ドライブの固定にマウンターやトレイを使うPCケースが主流になった。

マウンターやトレイ方式が増えた

マウンターやトレイ方式が増えた

HDDやSSDの固定にはマウンターやトレイを使うことが増えた。写真はDefine 7のSSD/HDD用トレイ。ドライブの底面にあるねじ穴で固定する。

11. ケーブル配線をする

パソコン自作で最も複雑な工程がこのケーブル配線だ。どのケーブルをどのパーツにつなぐか、確認しながら確実に進めよう。基本的に間違ったケーブルは差さらないようになっているが、力を入れると差さってしまう場合もある。抵抗が強い場合は無理せず合っているか再確認しよう。最近のPCケースはマザーボード裏のスペースを使って余ったケーブルを隠せるようになっている(「裏面配線」と呼ぶ)。ケーブルを通すためにシャーシ(マザーボードのベース)に穴が空いているので、うまく使ってきれいに配線しよう。見た目がよいだけでなく、空気の流れも良くなり、冷却面でも有利になる。

特に前面端子用のピンヘッダーは細かく、配列がマザーボードのモデルによって異なる場合がある。マニュアルを横に置いて見比べながら作業するとよい。USB 3.2 Gen 1のケーブルは太く、取り回しがしにくいため一番最後につなぐのがお勧めだ。

端子に近い穴から表に引き出す

端子に近い穴から表に引き出す

Deine 7は電源ユニットを取り付けた段階で全てのケーブルが背面側にあるため、目的の端子に近い穴から表側に引き出す。CPU用12Vケーブルは上部の穴を使う。

PCケースのケーブルを前面に出す

PCケースのケーブルを前面に出す

前面端子用のピンヘッダーはマザーボードの端にまとめられているため、シュラウド付近の穴を通してケーブルを引き出す。写真ではグラフィックボード用の電源ケーブルも併せて出している。

ファンの電源をつなぐ

ファンの電源をつなぐ

PCケース付属のファンをマザーボードにつなぐ。ファンの電源端子には3ピンと4ピンがあるが、互換性があるので心配はない。爪で間違った位置に差せないようになっている。

前面オーディオのケーブルをつなぐ

前面オーディオのケーブルをつなぐ

オーディオ用の端子は「HD AUDIO」などの文字が書いてあることが多い。ピンは5本×2列だが、1ヶ所ピンのないところがあり、端子側は穴が埋まっている。間違えて差すことはないだろう。

前面USB 2.0のケーブルをつなぐ

前面USB 2.0のケーブルをつなぐ

前面USB 2.0は前面オーディオと似た、5本×2列の端子を使う。ピンのない場所が異なるので、やはり間違えて差すことは少ない。マザーボード側のピンヘッダーが複数ある場合はどれを選んでもOKだ。

前面端子(スイッチとLED)のケーブルをつなぐ

前面端子(スイッチとLED)のケーブルをつなぐ

ここが最も分かりにくい。マニュアルと実際のピンを見比べて、どこに差すのか確認しよう。端子がばらけてうまく差せない場合は、端子をまとめてセロハンテープなどで軽く留めると差しやすくなる。

12. グラフィックボードを取り付ける

拡張スロットのブラケットを外す

拡張スロットのブラケットを外す

ブラケットは目隠し板などとも呼ぶ。手回しねじで留まっていることも多いが、狭いのでドライバーで外した方が確実だ。1枚のグラフィックボードで2ヶ所のブラケットを使うことも多い。

グラフィックボードを取り付ける

グラフィックボードを取り付ける

取り付けの際は、まずスロットの留め具を開いておく。次に拡張スロットとグラフィックボードの端子の位置を合わせ、押し込む。きちんと入ればブラケット部分の位置も合っているはずだ。最後にねじで固定する。

電源ケーブルをつなぐ

電源ケーブルをつなぐ

表側に通しておいたPCI Expressの電源ケーブルをグラフィックボードに接続する。

最後にUSB 3.2 Gen 1ケーブルをつなぐ

USB 3.2 Gen 1ケーブルをつなぐ

一通りパーツを組み付けたら、USB 3.2 Gen 1(USB 3.1 Gen 1、USB 3.0)のケーブルをマザーボードにつなぐ。USB 3.2 Gen 1のケーブルは固いため、テンションがかからないよう余裕をもって配線するとよい。

前面USB Type-C用のケーブルをつなぐ

前面USB Type-C用のケーブルをつなぐ

マザーボード上のUSB Type-C用端子はピンヘッダーではない。メモリースロットの近くに配置されていることが多いため、最後につなぐとケーブルが邪魔になりにくい。

余ったケーブルを背面側に戻す

余ったケーブルを背面側に戻す

表側に回したケーブルに遊びが残っていると見栄えが悪く、ファンに引っかかる場合もある。背面側から軽く引っ張っておくとよい。またDefine 7は背面に面ファスナーを搭載しており、ケーブルをまとめやすくなっている。

組み立てが完了

組み立てが完了(右サイド)

組み立てが完了(左サイド)

これで組み立ては完了だ。液晶ディスプレイ、キーボード、マウスをつないで動作チェックをしよう。画面が映らない場合などに見直しがしやすいよう、サイドパネルはまだ付けなくてもよい。

これで組み立てが終わった。画面が映ったらBIOS(UEFI)設定画面に入り、CPUやメモリー、SSDが認識しているか確認する。きちんと動作していれば、一度電源を落としてサイドパネルを閉めよう。念のため、Windowsのインストールが終わるまで待ってもよい。

次回はWindows 11のインストールに進む。

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(文・写真=SPOOL

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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