製品レポート

手のひらサイズで洒落たデザインの超小型ベアボーン「ZBOXNANO-AD12-J」

手のひらサイズで洒落たデザインの超小型ベアボーン

小型PCの人気が年々高まっている。活用法として、最近注目されているのが「リビングPC」だ。リビングの大画面テレビにPCを接続すれば、家族で気軽に利用できる。例えば、デジタルカメラで撮影した写真、Webで配信されている動画といったマルチメディアコンテンツをテレビに映してみんなで視聴できる。Webページの閲覧やSNS、天気予報などを手早くチェックできるのもメリットだ。

リビングでPCを使うなら、小さくてインテリアになじむ洒落たデザインのモデルを選びたいもの。そこでお薦めなのが、Zotac Internationalのベアボーン「ZBOX Nano AD12」シリーズだ。今回は12.7cm角と手のひらサイズの「ZBOXNANO-AD12-J」を紹介しよう。


zboxnano-ad12-j 製品写真


製品名 ZBOXNANO-AD12-J
チップセット AMD A68M
搭載CPU AMD E2-1800(1.7GHz)
グラフィックスチップ Radeon HD 7340
搭載メモリー容量 DDR3-SODIMM 1333(最大8GB)
内部ベイ 2.5インチ×1(Serial ATA 6Gbps対応)
全面インターフェース USB 2.0×2、音声出力(アナログ/光デジタル兼用)、マイク入力メディアリーダー、IRレシーバー
背面インターフェース USB 3.0×2、USB 2.0×2、eSATA、DisplayPort、HDMI、WiFiアンテナ、Gigabit Ethernet、ACアダプター
外形寸法(幅×奥行き×高さ) 127×127×45mm

幅と奥行きが12.7cmと手のひらに乗るサイズが魅力の小型ベアボーン。CPUやグラフィックス機能、無線LANなどを内蔵しており、メモリーとストレージを追加すればPCになる。電源は付属のACアダプターを利用する。OSのインストールにUSB接続の光学式ドライブやUSBメモリーなどが必要だ。実勢価格は3万円前後。

ベアボーンだからSSDや大容量メモリーを選べる

ZBOXNANO-AD12-Jは、ケースの中にCPUやグラフィックス機能、LANなどを備えているベアボーンだ。別途メモリーとHDDやSSDなどのストレージを用意し、組み込んで利用する。完成済みのPCだと「メモリーを追加したい」「HDDでなく、SSDを起動ドライブにしたい」と言った場合に、搭載済みのパーツを外して交換する必要がある。その点、ベアボーンなら大容量のメモリーもSSDも柔軟に選べる。手間もコストも無駄が少ない。

幅と奥行きは12.7cmとCDのジャケット並みのサイズ。厚みは4.5cmだ。電源にはACアダプターが付属する。天板に光沢のあるアクリルを、側面にはアルミニウム合金を採用している。小さいだけでなく、デザイン性に優れているため、リビングに置いても雰囲気を損ないにくい。VESAマウントに対応するのもポイントだ。付属のマウンターを利用すれば液晶ディスプレイの背面に設置できる。ディスプレイ一体型のPCにもなる。

天板のアクリルは光沢があり、丸みを帯びたデザインを採用

天板のアクリルは光沢があり、丸みを帯びたデザインを採用する。動作中は天板の中央に丸形の光が浮かび上がり、洒落た雰囲気を演出する。

液晶ディスプレイの背面に取り付けた

液晶ディスプレイの背面に取り付けた。ねじ留めしたマウンターのツメを、底面のホルダーに引っ掛けて固定する。ワイヤレスのキーボードやマウスと合わせて使うと、よりすっきり使える。


機能が豊富なのも見逃せない。USBは高速な3.0端子を搭載。映像出力は、リビングのテレビと接続するのに便利なHDMIに加えて、DisplayPortも備える。前面には7種類のメディアに対応したカードリーダーを搭載し、デジタルカメラで撮影した写真を素早くPCにコピーできる。

BluetoothとIEEE 802.11b/g/n対応の無線LAN機能を内蔵し、部屋のどこに置いても無線でネットワークにつながる。「Windows Media Center」に対応したリモコンが付属し、離れた場所から再生や停止などのコンテンツ操作も可能だ。

本体の背面

本体の背面。青い端子はUSB 3.0、黄色い端子はUSB 2.0だ。Serial ATA接続ドライブを外付けできるeSATA端子も備える。一番右はWi-Fiアンテナ装着部だ。

リモコンは手に収まるサイズ

リモコンは手に収まるサイズ。適度なクリック感があり、ボタンの押し心地は良い。IR受信部は前面に内蔵している他、USB接続の延長レシーバーも付属する。

組み立てが簡単! 幅広い用途で使える高性能も魅力

組み立てが簡単なのも大きな特徴だ。本体底面にある4個のゴム足は、パネルを留めるねじになっていて、手回しで外せる。底面パネルを開けると、SO-DIMMスロットとSerial ATA 6Gbps端子がある。ここにメモリーと2.5インチサイズのドライブを1個ずつ取り付ける。

パーツの取り付けは簡単だ。メモリーは端子部分を斜めにスロットに挿してから、倒して固定する。ドライブは金属の固定具をねじ留めして、Serial ATA端子に挿し込む。端子が奥まで挿さったら、固定具とフレームをねじで固定する。PCの自作になれていない場合でも、迷わず作業できるはずだ。

本体の背面

底面のゴム足が、パネルを留めるねじを兼ねる。手回しで簡単に外せる。

リモコンは手に収まるサイズ

パネルはゆっくり持ち上げて外す。中にSO-DIMMスロットとSerial ATA端子がある。ここにメモリーとドライブを取り付ける。

メモリーとSSDを取り付けたところ

メモリーとSSDを取り付けたところ。ドライブの固定具は端子の反対側に付ける。メモリーはスロットに斜めに挿し込んで倒すと固定される。

搭載するプロセッサーは、CPUとグラフィックス機能を統合したAMDのFusion APU「AMD E2-1800」。2個のコアを内蔵し動作周波数は1.7GHzだ。統合グラフィックスは「Radeon HD 7340」で、DirectX 11に対応する。Radeon HD 7340は、1世代前のAPUとなる「E-450」が内蔵する「Radeon HD 6320」の機能強化版。動作クロックはベースが523MHz、最大で680MHzまで速くなっている。グラフィックスの画質を高める「AMD HD Media Accelerator」を備えているのも特徴だ。機能には映像の画質を補正する「AMD Perfect Picture」や動画の手ぶれを補正する「AMD Steady Video」などがある。マルチメディアコンテンツの再生を快適にするパワフルな構成だ。

試しにDDR3-1333、2GBのメモリーと、128GBのSSD「Vertex 4」を取り付け、Windows 7 Ultimateをインストールした。動作はきびきびしていて小型PCとは思えないほど。Web閲覧や動画再生だけでなく、オフィスソフトもスムーズに動かせた。搭載するAPUのAMD E2-1800は、使用時の消費電力の目安となるTDPが18Wと極めて低い。省電力で長時間の利用に向いているのも大きな魅力だ。


Windowsが備える「エクスペリア インデックス」

Windowsが備える「エクスペリア インデックス」で、パフォーマンスを評価した。グラフィックス性能が高さが光る。Windowsを快適に動かすには十分な性能だ。


PCの総合的な性能を測る「PCMark 7」(Futuremark)

アプリケーションの挙動を模し、PCの総合的な性能を測る「PCMark 7」(Futuremark)を実行した。省電力重視のCPUを備えたPCとしては高性能。リビングPCに必要な性能は備えている。

省電力で高性能だから、業務用途にもオススメ

ZBOXNANO-AD12-Jが活躍できるシーンは家庭だけではない。消費電力の低さと処理に十分な性能を両立しており、長時間連続で動作させるような業務用途にもオススメだ。例えば、小ささを活かして液晶ディスプレイの裏面に取り付ければ、一体型PCやシンクライアントになる。2画面出力や映像処理性能を活かして、デジタルサイネージ用端末や監視カメラの映像受信端末などにも使える。従来のPCでは設置や運用が難しかったシーンでの活躍が期待できるのだ。

選択肢が豊富なZBOXシリーズ

ZBOXシリーズには幅広いラインアップが揃っており、用途に合わせて選びやすい。「ZBOX AD06」シリーズはZBOXNANO-AD12-Jよりも一回り大きなケースを採用する。「ZBOX-AD06-PLUS-J」(実勢価格4万3000円前後)は320GBのHDDと2GBのメモリーを搭載済みの小型PC。AMDのFusion APU「AMD E2-1800」を搭載し、性能はZBOXNANO-AD12-Jと同じだ。一番の違いは映像出力端子の種類。HDMIとDVI端子を備えている。HDDとメモリーを選べるベアボーン「ZBOX-AD06-J」(実勢価格3万4000円前後)もある。

ZBOXシリーズはどのモデルも、本体がコンパクト。VESAマウントへの対応やリモコンが付属しているなどの仕様も共通だ。家庭、業務を問わず、用途や予算に合わせて、ピッタリの製品を選べる。


「ZBOX AD06」シリーズ

「ZBOX AD06」シリーズ。縦置き時の高さと奥行きはともに18.8cmだ。基本的な性能はZBOXNANO-AD12-Jと同じ。


ZBOX AD06とZBOXNANO-AD12-Jを並べた

ZBOX AD06とZBOXNANO-AD12-Jを並べた。一回り大きいものの、ZBOX AD06もVESAマウンターに対応し、液晶ディスプレイの背面に固定できる。

(文・写真=SPOOL

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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●ZOTAC社 概要
ZOTAC社は大手パソコン周辺パーツメーカーであるPC Partner(ピーシーパートナー)のグループ会社の一つです。PC Partnerは1997年に香港にヘッドクオーターを設立、生産工場は中国(ISO9001、14001、OHSAS18001を取得)です。PC Partner自体はマザーボード、グラフィックボード、MP3プレーヤー、フラッシュメモリーなどを各メーカーなど、数々の大手メーカーのOEM、 ODMにて生産している巨大な生産会社です。グラフィックボードに関しては2006年よりNVIDIA陣営GeForceのリテール製品を子会社の ZOTACオリジナルブランドで販売開始いたしました。コストパフォーマンスからハイエンドまで、様々なOEM先の要望に対応できる技術力と品質、巨大な生産量を誇り、そのスケールメリットを生かしたコスト競争力と培った裏打ちされた技術力をバックに、今後、NVIDIAカードメーカーの中でも、特徴をもったメーカーとして、展開していきます。詳しい情報はウエブサイトをご参照ください。
メーカーウェブサイト:http://www.zotac.com/

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