ZALMAN TECHのPCケース「Z5」シリーズは、ベストセラーとなった「Z9」シリーズの姉妹モデル。Z9シリーズ同様に価格が比較的リーズナブル。そのうえ、2.5インチベイを備えており、マウンターを使わずにSSDを搭載できる。さらに、上面にはスマートフォンなどを置くスペースを設けるなど、今どきのニーズを押さえた仕様となっている。
対応フォームファクター | ATX、microATX |
シャーシの材質 | プラスチック、スチール |
外形寸法 | 幅205×奥行き490×高さ460mm |
重量 | 6.5kg |
ドライブベイ | 5インチ×2 2.5インチ×2 3.5インチ内部×3 外部3.5インチ/内部3.5インチ/2.5インチ×1(兼用、マウンタ使用) |
拡張スロット | 7 |
搭載可能ファン | 前面12cm角×1(12cmブルーLEDファン付属) 背面12cm角×1(12cmファン付属) 上面12cm角×2 底面12cm角×1 |
前面端子 | USB 2.0×2 音声入出力 |
上面パネルには小物を置けるスペースがある。すぐ横にUSB端子があるため、スマートフォンやUSBメモリーなどの置き場所として使うと便利。
Z5の内部。マザーボードベースに配線用の穴が複数ある。5インチベイの下にスペースが空いているのも大きな特徴。
メンテナンスしやすく拡張性も充実
まず、チェックしたいのがドライブベイの数だ。5インチベイを3つ、3.5インチベイを3つ搭載するほか、2.5インチベイを2つ備える。さらに、5インチベイのうち1基を使って3.5インチドライブを搭載するためのマウンターが付属する。つまり、別途マウンターを用意しなくてもHDDは4台、SSDは2台まで搭載できる。SSDを使用する場合に注意したいのは、Serial ATAケーブルのコネクターについて。下向きL字型は干渉して挿さらないので、ストレートもしくは上向きL字型を用意しよう。
5インチベイと3.5インチベイの間にスペースがあるのもZ5の大きな特徴。この構造のおかげで、最大330mmの巨大なグラフィックボードも収まる。
5インチベイにはマウンターが1つ付いており、ここに3.5インチドライブを取り付けられる。もちろん、マウンターを取り外せば5インチベイとして使える。 |
3.5インチ内部ベイの上部に2.5インチ内部ベイが1つある。片側のねじ穴に突起を入れて反対側をねじ留めする仕組み。 |
3.5インチ内部ベイの下部にも2.5インチドライブを固定可能。PCケースの底面からねじ留めする。 |
ファンは前後に12cm角を2つずつ搭載。さらに、上面に2つ、底面に1つファンを増設できる。背面には水冷チューブを通すための穴も空いている。安価なケースながら、グラフィックボードや水冷クーラーを使ってハイスペックなマシンも組める。実に懐が深いケースだ。前面と上面のパネルはメッシュ状になっており、ケース内の通気性も良い。
Z5の背面には、水冷チューブを通すための穴も用意されている。 |
組み立てやメンテナンスがしやすい工夫も随所に見られる。まず、前面パネルと上面パネルはねじを使わずに付け外しが可能。また、5インチベイは左側面にプラスチック製の留め具が付いており、ねじを使わずにドライブを固定できる。
さらに、裏面配線にも対応。ただ配線用の穴があるだけでなく、十分なスペースが確保されているので、電源ユニットのメイン用など、多少厚みのあるケーブルも使える。手ごろな価格ながら、ATX12V用の延長ケーブルも付属。電源ユニットのケーブルが短い場合も、マザーボード裏面のスペースを利用してすっきりと配線できる。
前面パネルと上面パネルの付け外しにねじは不要。ただし、いずれも前面端子やスイッチ用のケーブルがつながっているので気を付ける。 |
5インチベイにドライブを入れる際は、まず側面の留め具を手前に開けておく。多少力が必要なので注意。留め具の突起をドライブのねじ穴にはめて固定する仕組み。 |
HDDの固定にもねじは不要。両側面に付属のプラスチック製レールを付けて3.5インチ内部ベイに押し込むだけ。 |
長さが約30cmのATX12V用延長ケーブルが付属する。あらかじめマザーボードに挿しておくと配線がしやすい。 |
ブラケットカバーは折って外すタイプ。拡張ボードを取り付ける際は怪我をしないように注意。 |
標準状態での十分な冷却能力、ファン追加も可能
Z5の冷却能力について、パーツを組み込んで検証した。最新CPUで最もスペックが高いIntelのCore i7-3770K(3.5GHz)とIntel Z77チップセット搭載マザーボードを使用。さらにハイエンドチップのRadeon HD 7970を搭載したグラフィックボード「VAPOR-X HD7970 GHZ EDITION 3G GDDR5 PCI-E DL-DVI-I+SL-DVI-D / HDMI / DP」も取り付けた。室温26~28℃の部屋で、PCに負荷をかけて、HDD表面とCPUクーラーの吸気部(ケース後方上部)を温度計で計測。さらに、マザーボード付属のユーティリティでCPU温度もチェックした。
その結果、高い負荷をかけても、HDD表面やCPUクーラー吸気部の温度を32℃前後に抑えられ、冷却能力の高さを実感できた。Z5はファンをあと3つ増設可能で、冷却能力をさらに高めることもできる。
パーツ一式を組み込んだところ。長さが約27cmの巨大なグラフィックボードも難なく収まった。
温度の計測結果。アイドル時は起動してから約10分後。負荷時は「Hyper Pi」とHDDに「CrystalDiskMark 3.0.1」を実行してから約10分後の値とした。前面ファンのすぐ横に3.5インチ内部ベイがあるため、特にHDDはよく冷えた。
なお、電源ユニットは9月に登場したばかりの新製品「ZM750-XG」(ZALMAN TECH)を組み合わせた。80 PLUS GOLDを取得した高効率モデル。ケーブルは着脱式で、6+2ピンのPCI Express端子は最大4つまで、Serial ATA端子は最大8つまで使えるなど、端子の数も十分。将来、さらにパーツを増設する場合も十分に対応できる。消費電力を測定したところ、アイドル時が77W、高負荷時が122Wと今回のハイスペックなパーツ構成でも余裕で対応できた。
ZM750-XGは定格出力750WのATX電源。本体からはメイン用、ATX12V用、PCI Express用(6+2ピン)×2のケーブルが伸びている。その他のケーブルは着脱式。
ケーブルはすべてメッシュ仕様で、コネクターの数やケーブルの長さも十分。
(文・写真=SPOOL)
※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
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- ●ZALMAN社 概要
- ZALMAN社は、1999年に創業した韓国メーカーであり、優れた冷却技術とユーザーエクスペリエンスを提供しております。製品のデザイン、設計、低ノイズでPCを冷却するノウハウ、全て自社内で行っております。今後もPC内部環境を冷却する製品を開発し、お使いのPCの寿命を延ばす製品を提供します。
- ZALMAN社は全世界でTOP10に入る、PC周辺機器と冷却機器のメーカーです。
- メーカーウェブサイト:https://www.zalman.com/