PCゲーマーなら「マウスを変えたら対戦成績が上がった/下がった」という経験がある人は多いのではないだろうか。ゲームを快適にプレイするには、デバイス選びは重要な要素だ。
しかし、どのデバイスが合うかは人によって異なる。製品ジャンルによっては高価なものもあり、合わなかったからといってすぐに交換するのも難しい。そのためデバイス選びは多くのゲーマーにとって悩みの種でもある。自分のプレイしているゲームのプロプレイヤーが使っているデバイスを選ぶという人も多いだろう。そのニーズから、反対にプロゲーミングチームがデバイスを作ればいいと考えたのがFnatic(フナティック)だ。
Fnaticはさまざまなタイトルでトップクラスの実力を持つ、世界でも有数のプロゲーミングチーム。2004年にイギリス、ロンドンで発足し、2021年12月時点で30以上のタイトルで370回以上の入賞記録を持つ。イギリス以外にも日本やドイツ、台湾、マレーシアなどさまざまな国に拠点を構え、グローバル展開しているチームでもある。
そんなFnaticが手掛けるゲーミングデバイスのブランドが「Fnatic Gear」。間違いなく「プロの選ぶデバイス」だ。本記事では代表的な製品を紹介する。
目次
ゲーミングキーボード
キーボードはFPSなら移動、MOBAならスキル発動で使う、非常に重要なデバイスだ。正確な入力だけでなく、キーの押下荷重や反発の強さ、アクチュエーションポイント(入力を検出する押し下げ距離)など使いやすさも重要な要素になる。
テンキーレスの静音タイプ「miniSTREAK Silent Red JP」
製品名 | miniSTREAK Silent Red JP | miniSTREAK Brown JP |
---|---|---|
インターフェース | USB | |
キー配列 | 91キー 日本語配列 | |
キースイッチ | Cherry MX RGB Silent Red | Cherry MX RGB Brown |
バックライト | RGB | |
レポートレート | 1,000Hz | |
本体サイズ | 360×142×36mm(パームレスト含まず) | |
重量 | 704g(パームレスト含まず) |
miniSTREAK Silent Red JPはCherryブランドのメカニカルキースイッチを採用したテンキーレスタイプのキーボードだ。スイッチは赤軸の静音タイプ(Cherry MX RGB Silent Red)。茶軸(Cherry MX RGB Brown)を採用したモデルもある。キートップの印字に日本語表記はないが、キー配列は日本語だ。
RGBライティング機能、キーリマップ機能、ケーブル着脱、リストレストと、ゲーミングキーボードに求められる機能を一通り網羅しているのが特徴。テンキーレスデザインは机の上のスペースを広く取りたい人に人気がある。
ライティング設定やキーのリマップ(機能変更)はFnatic OP ソフトウェアで行う。[FN]キーとの組み合わせでショートカットを設定したり、マクロの設定や割り当ても可能だ。
大会向けの機能もある。大会ではマクロ等の特殊な入力は禁止されていることが多く、集中したい時はRGBライティングが邪魔になることもある。「FNロック」ボタンを押すと[FN]キーを無効にできるほか、「競争モード」を有効にすると機能をまとめて無効にできる。無効にする機能はFnatic OP ソフトウェアで設定可能だ。
ケーブルの着脱も大会向けの機能。eスポーツ大会はデバイス持ち込みが許可されていることが多く、持っていく際はケーブルを外せると運びやすい。
65%サイズのコンパクトモデル「STREAK65」
製品名 | STREAK65 US | STREAK65 JP |
---|---|---|
インターフェース | USB | |
キー配列 | 68キー US配列 | 71キー 日本語配列 |
キースイッチ | FNATIC SPEED(ロープロファイル) | |
バックライト | RGB | |
レポートレート | 1,000Hz | |
本体サイズ | 316×109×28mm | |
重量 | 420g |
STREAK65はフルサイズキーボードの約65%というコンパクトサイズが特徴のキーボード。独自のキースイッチ「FNATIC SPEED(ロープロファイル)」を採用している。配列は日本語と英語(写真は英語モデル)。420gと軽く、ケーブルも着脱式のため大会等に持って行くのに便利だ。
小型化するためにテンキーと最上段のファンクションキーを省略している。省略したキーの機能は[FN]キーとの組み合わせで入力可能だ。いわゆる60%キーボードより5%分大きいのは、矢印キーと、右端に[DEL]、[Pg Up]、[Pg Dn]などのキーが残っているため。その分一回り大きいが、一般的なテンキーレスモデルと比べるとかなり小さい。
高さを抑えたロープロファイル仕様も特徴で、リストレストがなくても手首を机に付けたまま無理なくタイピングできる。入力を検知するアクチュエーションポイントも1mmと浅いため、素早い入力も可能だ。
miniSTREAK Silent Red JPと同様にFnatic OP ソフトウェアによるカスタマイズに対応している。
ゲーミングマウス
マウスは狙いを付ける、対象を正確に選ぶといった、精密な操作を支えるデバイスだ。持ち方には人それぞれのクセがあるため、自分に合うマウスを見つけるのは難しい。今回紹介するFLICK 2とCLUTCH 2は全長130mm前後と少し大きめのモデルだ。
左右対称デザインの軽量マウス「FLICK 2」
製品名 | FLICK 2 |
センサー方式 | 光学式 |
インターフェース | USB |
ボタン数 | 6 |
最大解像度 | 12,000dpi |
ポーリングレート | 1,000Hz |
トラッキング速度 | 250IPS |
LEDカラー | RGB |
サイズ | 131×70.2×40mm |
ケーブル長 | 1.8m |
重量 | 93g |
FLICK 2はかぶせ持ちやつかみ持ちに適したゲーミングマウス。左右対称デザインのボディを採用しており、左手でも持ちやすい。長さが131mmと大きめのモデルでありながら、93gと軽い点も特徴だ。左右クリックとホイールボタンに加え、ホイールボタンの手前に1個とサイドに2個の追加ボタンがあり、合計6個のボタンを搭載している。
センサーはPixArt Imagingの光学式センサー「PMW-3360」。最大1万2000DPIの高解像度に対応する。左右クリックボタンに5000万回のクリックに耐えるオムロン製の高耐久スイッチを搭載し、操作を正確にゲームに伝える。DPI設定はプロファイルとしてマウス本体に3個保存しておき、切り替えボタンで変更できる。
キーボード同様Fnatic OP ソフトウェアに対応し、LEDの発光パターンやボタンの機能割り当てを変更できる。
右手用デザインの軽量マウス「CLUTCH 2」
製品名 | CLUTCH 2 |
センサー方式 | 光学式 |
インターフェース | USB |
ボタン数 | 6 |
最大解像度 | 12,000dpi |
ポーリングレート | 1,000Hz |
トラッキング速度 | 250IPS |
LEDカラー | RGB |
サイズ | 131×66.2×43mm |
ケーブル長 | 1.8m |
重量 | 97g |
CLUTCH 2はFLICK 2に似たデザインだが、左サイドのみに軽いくぼみがあり、右手での操作するのに滴しているのが特徴。こちらの方がわずかに横幅が広く、97gと重量も4g重いが、サイズ感はとても近い。ボタンの数と配置もほぼ同じだ。
PixArt Imaging製のセンサーやオムロン製のスイッチ、両側面のラバーグリップも共通。両モデルの違いは形状だけと言って良いだろう。こちらもかぶせ持ちとつかみ持ちに適している。
ゲーミングマウスには無線モデルも増えているが、信頼性を優先して有線マウスを選ぶ人は多い。ただ、有線マウスではケーブルが引っかかって邪魔になるケースもある。そこで便利なアイテムがマウスバンジーだ。パソコンとマウスの間に置き、マウスのケーブルをはさんで遊びを必要最小限にする。ケーブルがマウスパッドで擦れるだけでも操作感に影響するため、一部のプロプレーヤーも使っている。当然Fnatic Gearもラインナップしている。
ゲーミングマウスパッド
マウスパッドは表面にマウスのセンサーが読み取りやすい模様を施し、正確な操作をしやすくする役割がある。表面の滑り具合で操作感が大きく変わる。滑りやすいマウスパッドは素早い動きがしやすい反面止めるのが難しく、滑りにくいマウスパッドは狙ったところで止めやすい。またマウスパッドがマウスの操作エリアになるため、大きく動かす人は大きなマウスパッドを選ぶのが良い。
高精度なトラッキングが可能なソフトタイプのマウスパッド「DASH」
製品名 | DASH M | DASH L | DASH XL | DASH XD |
---|---|---|---|---|
素材 | クロス | |||
サイズ | 360×280×3mm | 487×372×3mm | 475×475×3mm | 950×500×3mm |
DASHはソフトタイプのマウスパッドだ。表面に独自のハイブリッドテクスチャを採用しており、マウスの光学センサーがトラッキングしやすく正確に操作できる。撥水仕様のため汚れに強く、長く使える。
表面には非常に細かい模様と凹凸がある。これがマウス操作を妨げない程度のほどよい抵抗を生んでおり、思ったところでピタッと止めやすい。底面は全面ラバー仕様で、ゲームプレイ中にずれにくくなっている。
プレイスタイルに合わせて選べるようさまざまなサイズが用意されているのも特徴。最も小さいMサイズでも360×280mmで、最も大きいXDサイズは950×500mmと机を覆ってしまうほど大きい。
ゲーミングヘッドセット
PCゲームはヘッドセットで音声を聞いてプレイすることが多く、音質や装着感は大切。ボイスチャットを利用する場合はマイクの品質も快適さにつながる。
バーチャル7.1チャンネルに対応したゲーミングヘッドセット「REACT+、REACT」
製品名 | REACT+ | REACT |
---|---|---|
ドライバーユニット | 53mm | |
再生周波数帯域 | 20~40,000Hz | |
インピーダンス | 23Ω | |
マイク指向性 | 単一指向性(カーディオイド) | |
ケーブル長 | 1.2m(3.5mmステレオミニプラグケーブル) 1.6m(USBサウンドアダプタ) |
1.2m |
インターフェース | 3.5mmステレオミニプラグ USB(USBサウンドアダプタ使用時) |
3.5mmステレオミニプラグ |
付属品 | USBサウンドアダプタ(1.6m) 延長スプリッターケーブル(2m) クイックスタートガイド |
延長スプリッターケーブル(2m) クイックスタートガイド |
REACTシリーズはゲームに最適化されたヘッドセット。プロゲーマーからのフィードバックを受け、中高音域を強化している。着脱可能なマイクはカーディオイドタイプの単一指向性で、クリアな音声を相手に届けられる。
3.5mmミニピンジャックによるステレオ接続が基本で、REACT+は付属のアダプターを利用したUSB接続もできる。USB接続では7.1チャンネルの仮想サラウンド機能が利用可能になる。
耳全体を覆う大型のイヤーパッドも特徴。外の音を遮断し、ゲームに集中できる。プロテインレザーと柔らかな形状記憶フォームにより、装着感は良好だ。締め付けの力は軽く、圧迫感が少ないため長時間利用できる。REACT+は張り地にベロア素材を使用した交換用イヤーパッドが付属している。
(文・写真=SPOOL)
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