ディスプレイアームと聞いて思い浮かべるのは、デスクにおける液晶ディスプレイの有効利用、マルチディスプレイ環境、デザインワークを始めとするクリエイティブな作業など、定番の使い方。他方、長時間PCに向きあう現代人にとって、画面を自由な角度に設定できるディスプレイアームは人間工学的な面から見ても重要なツールと言える。
米Eastern Global社は、「快適なオフィス環境を楽しむ」ために2006年に設立された若い会社。さまざまなコンピュータ周辺機器、とりわけディスプレイアームを中心に扱う(日本国内取り扱いはDorfield社)。今回紹介する「EGL-202」「EGL3-202」は双方ともに、アルミと半透明プラスチックとの融合をモチーフにしたスタイリッシュなデザインにこだわり、単なる"道具"ではない矜持を感じさせる。
液晶対応サイズ(目安) | 15~24インチ(12kgまで) |
支柱&アームサイズ | 336mm&400mm |
高さ変更 | 150mm |
サイズ | 幅124×高さ275~515×奥行き146~486mm |
重さ | 3.5kg |
価格 | 24,800円前後 |
液晶対応サイズ(目安) | 15~24インチ(12kgまで) |
支柱&アームサイズ | 336mm&400mm |
高さ変更 | 150mm |
サイズ | 幅124×高さ378~522×奥行き459mm |
重さ | 3.5kg |
価格 | 16,800円前後 |
「EGL-202」の同梱物。左から時計回りに説明書、ネジ類、アーム本体、支柱 |
「EGL3-202」の同梱物。左から時計回りにネジ類、説明書、アジャスター付きプレート、アーム本体、支柱 |
組み立て、机への取り付け、ディスプレイ装着が簡単
「EGL-202」が重厚な支柱の大型タイプ、「EGL3-202」がすっきりした支柱の小型タイプ。もちろん使い方は人それぞれだが、前者はオフィス向き、後者は自宅向きと言えそうだ。ともにディスプレイ対応サイズは15~24インチまで、耐荷重は12kgまで。ただしワイドディスプレイのサイズによっては重さがマチマチのため、あくまで目安として捉えたい。
今回使用したディスプレイは19インチの「LCD-AD191XB2」(アイ・オー・データ機器)。スタンドなしの重量は4.6kgで、大きさ、耐荷重ともに十分に範囲内のサイズだ。
「EGL-202」を机に取り付けたイメージ |
「EGL3-202」を机に取り付けたイメージ |
どちらも組み立て、机への取り付けが簡単なのが特徴。通常のプラスネジに加え、プラスチックの締め具など独特なパーツも同梱するが、説明書の通り実行すればスムーズにできるはずだ。取り付け方式は、机を板で挟み込む方式の「クランプ」タイプ。机を挟み、締め付けるだけでしっかりと固定できる。
「EGL-202」(左)、「EGL3-202」(右)ともに取り付けが簡単な「クランプ」タイプを採用 |
ディスプレイとアームの装着は標準規格の「VESA」を用いる。今回のモデルはどちらも75×75mm、100×100mmの両方に対応する。「EGL-202」「EGL3-202」はディスプレイ側に薄いプレートをあらかじめネジ止めし、アーム側のベースプレートの3つの穴にワンタッチで装着する仕組み。組み立てや取り付け同様、ディスプレイとのドッキングが簡単にできる工夫がなされている。およそ10分程度で組み立てから取り付け、ディスプレイ装着までが完了するだろう。
「EGL-202」の例。独特なプラスチック締め具などもあるが、組み立ては簡単(左)。アームは支柱の出っ張りに溝をはめ込み、赤いジョイントパーツで固定(右) |
ディスプレイ側に薄いプレートをあらかじめネジ止めする(左)。3点の出っ張りをベースプレートに引っ掛けるようにして装着(右) |
縦表示もカンタン! さまざまな角度が楽しめる自由度の高さ
ディスプレイアームには大別して上下に動く「垂直式」と、関節部分を設けて前後左右に動かせる「水平式」、両方の特徴を併せ持つ「水平垂直式」がある。今回紹介するモデルは水平式の多関節タイプとなる。
両モデルともに多関節を持ち、前後左右に動く水平式(左)。関節の硬さは付属の六角レンチで調整できる(右。写真はどちらも「EGL-202」) |
「EGL-202」は支柱内にロックピンでアームの場所を固定し、9段階/30mm単位で高さ調節が可能。中板が可動するスチール家具を思い浮かべるとわかりやすいだろう。むろん、好きなときに手軽に上下動できるものではない。その点、「EGL3-202」のほうが上下動はラク。プレートがアジャスターと一体化しており、15段階/12mm単位で調整できる。ディスプレイの左右をしっかりと押さえて、レール状のアジャスターをガチャガチャと動かさなくてはいけないものの、「EGL-202」よりは簡単に上下に移動できる。
アジャスター付きの「EGL3-202」は上下動がラク。左がディスプレイを最も下げた場合、右が最も上げた場合。15段階と細かく対応 |
前後左右の関節はともに3つ。最長で400mm程度前方へ伸び、折りたたんだ場合の最短は約50mm。ベースプレート付け根の関節は左右方向180度までのパン(首振り)に対応する。さらにその付け根の先がボール状になっており、360度回転、±30度傾斜するのが大きなポイント。横画面・縦画面表示に対応するため、縦表示をひんぱんに使う向きには重宝する(縦表示対応の機能が必要)。
付け根のボール部分と首振り用の関節部分。このつなぎ目が360度回転、±30度傾斜、180度のパンというフレキシブルな角度を演出する |
スムーズに縦表示が可能(左)。クリクリとボールが動き、ディスプレイを回転することができる。ボール可動の硬さは付属の六角レンチで調整できる(右) |
今回取り付けた机の厚さが30mmと少々薄かったにもかかわらず、19インチ/4.6kgのサイズであればいろんな方向に動かしても安定していた。もっと厚めのスタンダードな机ならより安定して動かせるだろう。
クランプを取り付け可能な板の厚さは20~45mmまで、奥行きは50mmまで。地デジテレビの小型化に伴い、最近ではベッドサイドに取り付けて寝ながらテレビを観賞するなどの例も見受けられる。そうしたイレギュラーな場所で使う際には、十分に取り付け側の強度を確認するのが望ましい。
「EGL-202」に液晶ディスプレイを取り付けた状態
「EGL3-202」に液晶ディスプレイを取り付けた状態
(文・写真=SPOOL)
※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
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