ステレオカメラという言葉を知っていますか?
最近では、自動運転車やロボット掃除機などにも搭載されており、私たちの生活に欠かせない存在となっています。
本記事では、ステレオカメラの仕組みやその使い方、さらにおすすめの製品について詳しく解説します。
ステレオカメラに興味がある方、技術の進歩に関心がある方、最新のおすすめ製品を探している方に最適な内容です。
本記事を通じて、ステレオカメラの可能性を発見し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現してみてはいかがでしょうか。
この記事を読むメリット
- ステレオカメラの基本的な仕組みを理解できる
- 単眼カメラやデュアルカメラとの違いが分かる
- ステレオカメラのメリットとデメリットを知ることができる
- 各業界でのステレオカメラの主な使い方を把握できる
- おすすめのステレオカメラ製品を知ることができる
目次
ステレオカメラとは?
一昔前までは、高性能カメラというとプロのカメラマンが使うもの、趣味で利用されるものでした。
しかし、スマホに高性能なカメラが搭載されるのが当たり前になり、昨今では若者から一般庶民まで広く利用されるようになりました。
しかしながら時代はさらに進み、現在では「ステレオカメラ」という3次元撮影が可能なカメラも登場しています。
ステレオカメラは、身近な家電やデバイスにも活用されており、自動お掃除ロボットでは障害物を立体的に認識して衝突を避けることで効率的に掃除をしたり、VRヘッドセットではユーザーの動きをリアルタイムで追跡(トラッキング)することで没入感の高いVR体験を実現しています。
ここでは、そんなステレオカメラについて分かりやすく解説します。
2つのカメラを使って立体形状や距離を測定
ステレオカメラとは、2つのレンズを使って立体的な画像を撮影するカメラのことです。
通常のカメラは1つのレンズを通して2次元の画像を撮影しますが、ステレオカメラは人間の両目のように2つのレンズを使用することで、被写体の奥行きや立体感を捉えられます。
これにより、撮影した画像を見たときに、まるでその場にいるかのようなリアルな立体感を感じることができるのです。
例えば自動運転車にステレオカメラを搭載すると、車の前方にある障害物や他の車両、歩行者の距離を正確に測定することができます。
他にも、3D映画の撮影やロボット掃除機などにも活用されており、IoT(モノのインターネット)の進む現在においては非常に重要なカメラです。
単眼カメラ・デュアルカメラとの違い
一般的に「カメラ」と聞いてほとんどの人が思い浮かべるのは、ステレオカメラではなく「単眼カメラ」です。
ここで、この単眼カメラとステレオカメラの違いについて一度まとめておきましょう。
ステレオカメラ | 単眼カメラ | |
---|---|---|
レンズの数 | 2つのレンズ | 1つのレンズ |
奥行き情報の取得 | 視差を利用して正確に測定可能 | 不可能(他のセンサーやアルゴリズムを併用) |
立体視の可否 | 2つの視点から得た画像を合成して立体映像を生成 | 2次元画像のみ |
主な用途 | 自動運転車(障害物検知) ロボティクス VR/AR(3D映像作成) 産業用検査(品質管理) 医療(手術支援)など |
スマホ(写真撮影) 監視カメラ(セキュリティ) コンパクトデジタルカメラ(日常の写真撮影)など |
データ処理の複雑さ | 2つの画像を解析するため高度なアルゴリズムと高性能なプロセッサが必要 | 単一の画像を処理するためシンプルなアルゴリズムで十分 |
価格帯 | 高価(数十万円から数百万円) | 安価(数千円から数万円) |
このように、一口にカメラといってもステレオカメラと単眼カメラでは大きな違いがあります。
また、最近ではスマホなどに搭載されるカメラは「デュアルカメラ」という2つのレンズを組み合わせたものが採用されています。
ステレオカメラと同じくレンズは2つありますが、あくまでも画質の向上やズーム機能の強化、被写界深度の調整など、多機能な撮影を実現するために採用されており、ステレオカメラとは違うことを押さえておきましょう。
ロボット・自動運転・物流分野で大活躍
ステレオカメラが顕著に活躍しているのは、ロボット(ロボティクス)・自動運転・物流の分野です。
ロボット分野でのステレオカメラの主な使用例
- ステレオカメラを使って周囲の障害物や地形を3次元的に把握し、安全な経路を計算して自律的に移動する
- 工場での組み立て作業やピッキング作業に使われるロボットアームの物体認識
- 自律移動型ロボット(AMR)が倉庫内を移動し、在庫の配置や取り出しを自動で行う
自動運転分野でのステレオカメラの主な使用例
- 道路上の歩行者や他の車両、障害物を3次元的に認識し、安全な運転をサポート
- 車両前方の物体までの距離を正確に測定し、適切な車間距離の維持や緊急ブレーキの制御を行う
- 高精度な3次元地図(3Dマッピング)を作成し、詳細な地図情報をもとにナビゲーションを行う
物流分野でのステレオカメラの主な使用例
- ステレオカメラを搭載したロボットが倉庫内で商品を自動的にピッキング
- パレット上の箱や荷物を3次元的に認識し、効率的に積み付けたり解体したりする
- コンベアベルト上を流れる荷物をリアルタイムで正確に仕分けを行う
もちろん、上記以外にもさまざまな分野でステレオカメラは利用されますが、このような機械が主に活躍する産業領域では特に導入が進んでいます。
ステレオカメラの簡単な仕組み
3次元構造、と聞くと少し難しい印象を抱くかもしれませんが、ステレオカメラの仕組みは意外にシンプルです。
ここでは、ステレオカメラの仕組みについて簡単に解説します。
①基本的な原理は人間の目と同じ(両眼視差)
ステレオカメラの基本的な原理は、人間の目の仕組みに似ています。
人間は両目で物を見る際、それぞれの目にわずかに異なる視点からの映像が映ります。
この差を「両眼視差」と呼び、脳はこの情報を処理して物体の奥行きや距離を認識しているのです。
ステレオカメラも同様に、2つのレンズを用いて異なる角度から同時に画像を撮影し、その視差を利用して立体的な情報を取得しています。
これにより、ステレオカメラは2次元の画像だけでなく、3次元的な奥行き情報も取得しているのです。
②撮影された2つの画像の視差を計算
ステレオカメラで撮影された2つの画像から距離情報を取得するためには、まず視差の計算が必要です。
視差とは、同じ物体が2つの画像内でどれだけ位置がずれているかを示すものです。この視差を計算する方法にはいくつかのアルゴリズムがあります。
代表的なものは、SGM(Semi-Global Matching)方式とSAD(Sum of Absolute Differences)方式です。
なお、視差の計算はカメラが取得した2つの画像のピクセルごとの比較を行うことで処理されています。その計算結果に基づいて、ステレオカメラは詳細な3次元情報を生成しているのです。
SGM方式 | SAD方式 | |
---|---|---|
概要 | 複数の方向からの視差コストを累積して最小視差を求める | 対応するピクセルブロック間の輝度差の絶対値を合計して最小視差を求める |
視差計算の精度 | 高い | 中程度 |
計算速度 | 遅い | 速い |
方向 | 水平、垂直、斜めなど複数方向 | 主に水平方向 |
適用分野 | 高精度な3Dモデリング、ロボティクス | リアルタイムアプリケーション、リソースが限られた環境 |
利点 | 精度が高く、細部の表現に優れる | シンプルで高速に処理できる |
欠点 | 計算量が多く、処理速度が遅い | 精度が低く、細部の表現が劣る |
SGM(Semi-Global Matching)方式
SGM(Semi-Global Matching)方式は、視差を計算するための高度なアルゴリズムの一つです。
この方法では、画像内の各ピクセルの視差を求めるために、複数の方向からの視差コストを考慮して計算を行います。
具体的には、水平方向、垂直方向、斜め方向など、複数の経路に沿って視差コストを累積し、その合計が最小になるような視差を求めます。
これにより、画像内の細かなディテールを保持しながら、正確な視差マップを生成しているのです。
なおSGM方式は計算量が多く、処理速度が遅くなることがありますが、その分精度が高く、細部の表現に優れています。そのため、高精度な3Dモデリングやロボティクスの用途でよく使用されます。
SAD(Sum of Absolute Differences)方式
SAD(Sum of Absolute Differences)方式は、視差計算において比較的シンプルで高速なアルゴリズムです。
この方法では、2つの画像の対応するピクセルブロック間において輝度差の絶対値を合計し、その合計値が最も小さくなる視差を求めます。
具体的には、あるピクセルの周囲に一定のサイズのブロックを設定し、左右の画像間でそのブロックの輝度差を計算します。その結果、輝度差が最も小さい位置の視差が選ばれます。
SAD方式は計算が単純で高速に処理できるため、リアルタイムアプリケーションやリソースが限られた環境で利用されることが多いです。
ただし、細部の表現や精度に関してはSGM方式に劣ります。
③計算結果をもとに距離画像(ディスパリティマップ)を生成
視差の計算が完了すると、その結果をもとに距離画像(ディスパリティマップ)が生成されます。
ディスパリティマップとは、各ピクセルの視差情報を視覚的に表現したもので、画像内の各点がカメラからどれだけ離れているかを示します。
ディスパリティマップでは、視差が大きいほどカメラに近い物体を示し、視差が小さいほど遠い物体を示します。これによって、物体との距離情報を取得しているわけです。
なお、この距離情報は立体的なシーンの再構築や3Dモデルの生成によく利用されます。
例えば、自動運転車はこの情報を利用して周囲の環境をリアルタイムで認識し、安全な運転をサポートします。また、ロボットはディスパリティマップを用いて障害物を避けたり、物体を正確に把握したりすることを可能にしています。
ステレオカメラを使うメリット3つ
ここまで解説してきたように、ステレオカメラはすでにさまざまな業界で活用されています。では、ステレオカメラを使うメリットは何でしょうか。
ここからは、ステレオカメラを使う3つのメリットについて解説します。
①リアルタイムで高精度な距離測定ができる
ステレオカメラの最も大きなメリットは、リアルタイムで高精度な距離測定が可能な点です。
従来の単眼カメラでは、奥行き情報を取得するために追加のセンサーや複雑な画像処理を必要としますが、ステレオカメラは一度の撮影で3次元情報を得られるのでリアルタイムでの処理が可能です。
この高精度な距離測定は、自動運転車やロボティクス、ドローンなど、動的な環境での物体検知やナビゲーションにおいて非常に有用です。
これにより、ステレオカメラは従来のカメラ技術に比べて、動的なシーンでのリアルタイムな距離測定性能が格段に向上しています。
②レーザーやLiDARなどと比較してコストが安い
ステレオカメラ | LiDAR | |
---|---|---|
低価格帯 | 約2万円〜約3万円 | 約4万円〜約5万円 |
中価格帯 | 約5万円〜約20万円 | 約10万円〜約100万円 |
高価格帯 | 約20万円〜約50万円以上 | 約100万円〜数百万円以上 |
ステレオカメラは、レーザーやLiDARと比較してコストが安いです。
LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)とは、レーザー光を用いて物体までの距離を測定する技術であり、高精度な3次元マッピングを可能とします。
しかし、LiDARは高価な装置であり、導入コストが大きな課題となるでしょう。
一方、ステレオカメラは大量生産可能な2つのカメラユニットと画像処理技術を利用して距離情報を取得するため、ハードウェアのコストを低く抑えられます。
2010年代中盤くらいまでは、ステレオカメラの価格もかなり高い印象でしたが、Intel社やStereolabs社、Orbbec社が本格的に市場に参入し始めた頃から価格競争が始まり、結果としてコストが安くなっていったのです。
③人間の目に近い構造なので自然な立体視が可能
ステレオカメラは、2つのレンズを使って対象物を撮影し、その画像をもとに立体的な情報を生成します。これは人間の目の働きに非常に似ています。
人間の目も左右にわずかに離れて配置されており、各目が少し異なる角度から物体を見ているため、脳がこの差を利用して深さや距離を判断しているのです。
ステレオカメラも同様に、2つのカメラが撮影した画像の微妙な違いを分析して立体的なデータを生成します。このため、ステレオカメラは人間でも理解しやすい自然な立体視を実現します。
一方、LiDARや他のレーダー方式はレーザーや電波を使って距離を測定します。
これらの方式では高精度で距離を測ることができますが、物体の形状やテクスチャを詳細に捉えるのは難しいです。特に、透明や反射する物体の処理が苦手です。
これに対して、ステレオカメラは光の反射や色の違いを利用するため、より自然で詳細な立体画像を生成できます。
結果として、ステレオカメラでは人間の視覚に近い自然な立体視が可能となるのです。
ステレオカメラのデメリット3つ
しかし、ステレオカメラにもデメリットは存在します。ここからは、ステレオカメラのデメリットについて解説します。
①高性能CPUまたはGPUが必須
ステレオカメラは3次元情報という高度な情報をリアルタイムで処理する必要があるため、外部の高性能デバイスに性能を依存します。
特に、高性能CPUまたはGPUが搭載されたモデルが必須といえるでしょう。
高解像度の画像や高フレームレートでの処理を行う場合、その計算量は膨大となり、一般的なコンピュータの処理能力では対応しきれないことも多いです。
高性能なCPUやGPUであれば、リアルタイムで高精度な3D情報を取得し、スムーズな動作を実現できます。
しかしこれによりシステム全体のコストが増加し、消費電力も高くなるため、バッテリ駆動のデバイスでは運用が難しくなる点には注意しておきましょう。
なお、CPUとGPUの違いとおすすめ製品についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてお読みください。
②場合によっては視差の取得が難しい
ステレオカメラは、場合によっては視差の取得が難しいこともあります。
例えば、テクスチャが少ない平坦な表面や、鏡のような反射率が極端に高い物体、ガラスや水のような透明な物体では、ステレオカメラが視差を正確に取得するのが困難です。
このような状況では、2つのカメラが撮影する画像に十分な特徴点が含まれず、視差計算が不正確になることがあります。
これにより、深度マッピングの精度が低下し、3D情報の信頼性が損なわれます。さらに、動いている物体を正確に捉える場合も、視差の取得が困難になることが多いです。
これに対処するためには、レンズの歪みやカメラ間の位置関係を補正しなければなりません。しかし、非常に高度な技術でもあるので、専門人材がいなければ対応することは難しいでしょう。
③専門的な知識がないと扱えない
スマホなどに搭載されているカメラであれば誰でも簡単に扱えますが、ステレオカメラは専門的な知識がないと扱えません。
ステレオカメラを正しく設定し、効果的に使用するためには、視差計算の基礎やカメラキャリブレーション、3Dデータの解析技術についての理解が必要です。
例えばステレオカメラを用いて正確な3Dマッピングを行うためには、カメラの位置や角度を精密に調整し、キャリブレーションを行って、レンズの歪みやズレを補正する必要があります。
さらに、取得したデータを処理して解析するためのソフトウェアやアルゴリズムの操作にも精通していなければなりません。
これらの操作を適切に行わなければ、得られる3D情報の精度が低下し、実用的なデータを得ることが難しくなります。
そのため、ステレオカメラの効果を最大限に引き出すためには、専門的な知識と技術が不可欠です。
業界別のステレオカメラの主な使い方
ステレオカメラはすでに多くの業界で導入されている製品です。では、具体的に各業界ではどのような使い方をされているのでしょうか。
ここからは、業界別にステレオカメラの主な使い方をご紹介します。
【自動車業界】自動運転車の車載カメラ
自動車業界では、ステレオカメラが自動運転車の安全性と精度を向上させるために広く使用されています。
以下は、自動運転車の車載カメラにステレオカメラを採用している主なメーカーです。
トヨタ
- 「Toyota Safety Sense」や「Advanced Drive」システムにおいて、ステレオカメラを採用
- 前方の障害物や車両を高精度に検知し、自動ブレーキやレーンキーピングアシストなどの運転支援機能を実現
- 新型ミライやLSなどのモデルに搭載
スバル
- 先進運転支援システム「EyeSight」にステレオカメラを採用
- 前方の車両や歩行者、障害物を立体的に認識し、緊急自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロール(ACC)を実現
Tesla(テスラ)
- 前方の物体を立体的に認識するために自動運転システム(Autopilot)にステレオカメラを採用
- 周囲の車両や障害物を詳細に把握し、車両の自律走行を支援
このように、多くのメーカーがステレオカメラを車載カメラに利用して、独自のテクノロジーをサービス化しています。
【ロボティクス業界】障害物検知やナビゲーション
ロボティクスの分野では、ステレオカメラはもはや必須といえるかもしれません。
以下は主な企業の活用事例です。
CanonのVisual SLAM技術
- Canonは、ガイドレスAGV(自律移動型ロボット)にステレオカメラを使用したVisual SLAM技術を採用
- ロボットが周囲の環境を3次元的に認識し、リアルタイムで高精度な地図を生成・更新
セコムの自律走行型巡回監視ロボット「セコムロボットX2」
- 関西国際空港や成田空港に導入されているセコムの「セコムロボットX2」にステレオカメラを搭載
- ロボットが自律的に周囲の環境を認識して警備や監視業務を遂行するため、空港のセキュリティが強化
ロボティクスの分野では、人間と同じように周囲の環境を認識できるステレオカメラは非常に重要なツールになりつつあります。
【医療・ヘルスケア業界】3D手術支援やVR医療
ステレオカメラは3D画像をリアルタイムで映し出せるので、医療・ヘルスケア業界では3D手術支援やVR医療などの分野で活用されています。
東京医科大学病院
- 内視鏡手術にステレオカメラ装置「ダヴィンチ」を導入
- 手術中の臓器や血管の位置を正確に把握できるので、外科医がより安全かつ効果的に手術を行うことを支援
ソニー(SONY)
- 空間再現ディスプレイ(SRD)とViewtify®システムにステレオカメラを導入
- CTやMRIの連続平面画像データを瞬時に3DCGに変換して可視化可能に
ソフトバンクグループ
- MR技術を活用した歯科治療シミュレーションシステムにステレオカメラを導入
- 神経や血管、歯髄やエナメル質の状況、インプラントの位置関係などの重要な情報を現実の視界に合成することが可能に
新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、医療従事者の過重労働が問題になりつつあり、医療業界は非常に切迫している状況です。
しかしステレオカメラを導入することで、手術や診断がより効率的に行えるようになるので、問題の解決が期待されるでしょう。
【物流・配送業界】自動仕分けシステムや搬送用ロボット
物流・配送の分野では、ステレオカメラの導入によって業務効率化・人員削減が可能になっています。
以下は、主な企業の活用事例です。
Amazon
- 倉庫内でのピッキング作業にステレオカメラを導入
- 商品の位置や形状を正確に把握し、ロボットが迅速かつ正確に商品を取り扱うことが可能に
Walmart
- 倉庫内での品質検査にステレオカメラを導入
- 商品の外観を3Dでスキャンし、傷や破損を検出することで品質不良品の出荷を防止し、顧客満足度を向上
UPS(United Parcel Service)
- 配送センターでの梱包と積み込み作業にステレオカメラを導入
- 商品のサイズや形状を計測し、最適な積み込みパターンを提案することでスペースの効率的な利用と輸送コストの削減を図る
物流業界では「2025年の崖(2025年問題)」を来年度に控えており、DX(デジタルトランスフォーメーション)が急務となっています。
このような課題を解決するためにも、ステレオカメラの導入は必須といえるかもしれません。
ステレオカメラのおすすめメーカーと製品をご紹介!
ステレオカメラ市場はかなり成長性が高い領域なので、多くの企業やメーカーが参入しています。
そのため、どの製品を選べばいいのか悩んでいる人も多いでしょう。
そこでここでは、ステレオカメラのおすすめメーカーを2社ご紹介します。
Stereolabs社|ステレオビジョンのリーディングカンパニー
Stereolabs社は、ステレオビジョンに基づく3D深度およびモーションセンシング技術のリーディングプロバイダです。
2008年に設立され、サンフランシスコに本社を構え、ニューヨークやフランスのモントルージュにもオフィスがあります。
同社はZEDカメラシリーズを中心に、高解像度のカラー画像と深度情報を提供するステレオカメラを開発しました。ロボティクス、自動運転、スマートシティなど多岐にわたる産業分野で活用されています。
ZED Xシリーズの特徴
- 高度な深度センサリングとモーショントラッキング
- 耐久性と信頼性の高い設計
- マルチカメラ同期と幅広いソフトウェアサポート
Stereolabs社のZED Xシリーズは、最新のNeural Depth Engine 2を搭載し、16bitの3軸加速度センサーとジャイロスコープにより高精度なモーショントラッキングを提供する業界基準のステレオカメラです。
IP66準拠のアルミニウム製エンクロージャーは、埃や水の侵入を防ぎ、過酷な環境でも信頼性の高い動作を保証します。
さらに、1200p 60fps対応のグローバルシャッターにより、ダイナミックレンジや画質を損なうことなく動きを正確に捉えます。
マルチカメラ同期やGMSL2接続に対応し、UnityやUnreal Engineなどのサードパーティ製ソフトウェアもサポートします。
自律移動型ロボットや産業用途での高精度ローカリゼーション、障害物検出に最適です。
さらに詳しい情報はこちらのリンクからご確認ください。
Orbbec社|NVIDIAとマイクロソフトの協力パートナー
Orbbec社は、2013年に中国の深圳市で設立された3Dビジョン技術のリーディング企業です。
同社は、ステレオビジョンカメラ、TOF(Time of Flight)カメラ、構造化光カメラなど、幅広い3Dセンサー製品を提供しており、業界のソリューション開発者に向けたフルスタックプラットフォームを構築しています。
また、マイクロソフトの協力パートナーであり、Azure Kinectの後継製品の開発も行っています。非常に高い生産能力を持つので、同社の製品はコストパフォーマンスに優れていることで有名です。
Geminiシリーズの特徴
- 独自のASICチップにより高精度な深度測定が可能で、小さな物体や反射物も美しく再現
- 自然光の影響を受けにくく、屋内外でシームレスに使用可能
- 短距離から長距離、広視野角から高フレームレートまで対応する幅広い製品ラインナップ
Orbbec社のGeminiシリーズは、高精度な深度測定が可能で、幅広いニーズに対応する高性能なステレオカメラです。
独自に開発されたASICチップを搭載しているため、距離や形状を非常に正確に計測できます。また、自然光の影響を受けにくい設計になっており、屋外でも問題なく使用可能です。
さまざまな用途に応じたモデルが揃っており、例えば、短距離から長距離まで対応できる「Gemini 2」や、広い視野角を持つモデル「Gemini E」などがあります。
さらに、厳しい環境でも使えるIP65準拠のモデル「Gemini 335L」「Gemini 336L」もあり、工場や屋外の現場などでも安心して利用できるのもポイントです。
Orbbec社のGeminiシリーズは、多様な環境や用途に対応できる高性能なステレオカメラとして、多くの分野で利用できます。
Geminiシリーズの導入を検討する場合はこちらのリンクよりお問い合わせください。
ステレオカメラの導入にお困りならアスクまで!
本記事では、ステレオカメラの基本的な仕組みや使い方、メリット・デメリット、各業界での活用例、そしておすすめ製品について詳しく解説しました。
ステレオカメラの優れた点は、リアルタイムで高精度な距離測定が可能であり、コストパフォーマンスが高いことです。また環境の変化に強く、安定したパフォーマンスを発揮します。
一方で高性能なハードウェアが必要であり、専門的な知識が求められるというデメリットも忘れてはなりません。
ステレオカメラの専門人材が自社にいないのなら、ぜひアスクにご相談ください。弊社はお客様の目的やニーズに応じたDXソリューションを提案しております。
Stereolabs社とOrbbec社の国内正規代理店でもあるので、最新の製品をいち早く導入できるようにサポート可能です。
相談は無料で承っておりますので、ぜひ一度こちらのリンクからご相談くださいませ。
監修者:麻生哲
明治大学理工学部物理学科を卒業後、ITベンチャーにて多数のプロジェクトを成功に導く。子会社を立ち上げる際には責任者として一から会社を作り上げ、1年で年商1億円規模の会社へと成長させることに成功。現在は経験を活かし、フリーランスとしてコンテンツ制作・WEBデザイン・システム構築などをAIやRPAツールを活用して活動中。
※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
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